顎関節症
あごが痛い
口が開かない
カクカク音がして痛い

この様な症状はありませんか?
顎関節症の代表的な症状は
 あごが痛む(顎関節痛)
 口が開かない(開口障害)
 あごを動かすと音がする(顎関節雑音)
以上の三つで,このうち一つ以上の症状があり,鑑別診断で他の疾患がない病態を「顎関節症」といいます
成人の46%に顎関節症の何らかの症状があると言われています。

厚労省の歯科疾患実態調査では、「口を大きく開け閉めした時,あごの痛みがありますか?」に「はい」と回答した方は約5%で,
東京都内就労者では約20%程度です.
顎関節症の病気の状態は現在4つに分類されています。
1.最も多いのが関節内にある関節円板という柔らかくて強靭なクッションが前方に
ずれることで起きる「カクンカクン」という音が出る状態
2.関節円板のずれがもっと大きくなることで大きな口が開けられなくなる状態 
特に口が大きく開かなくなると、口を開けたり食物を咬もうとするときに痛みが出ます。
この2つの状態で来院される
方が全体の60%ほどになります。
これ以外では
3.顎関節そのものには痛みがないのですが、下顎を動かす筋肉がうまく働かなくなり、
口を開けようとすると頬やこめかみの筋肉が痛むという状態
あるいは関節円板のずれはないのですが、口を開けようとすると
顎関節が痛む捻挫に似た状態があります。
4。多くありませんが、関節を作っている骨が変形するタイプの
顎関節症があります。このタイプは長年顎関節症が続いていたり、年齢の高い方に多くみられます
顎関節症の原因とは
何が原因なのでしょうか。実は原因を一つに絞ることができないのです。
現在世界的に認められている考え方は「多因子病因説」です。関節や筋に負担のかかる要因は色々あります。
そのような要因がタイミングよくいくつも集まって負担が大きくなり、その人の持っている耐久力を超えると症状が出るという考え方です。
そのような要因は以下に示すように多々あります)。
これらは一つ一つは小さな要因ですが、多数集まることによって、症状を起こすほどの原因となるわけです。
治療しようとする時にその患者さんの全ての因子を特定することができるなら、それらの因子をできるだけ除いて行くことで、
原因に対する治療を進めることができるのですが、全ての因子を見つけるということは非常に困難です。また見つけることができたとしても、
除くことができない因子もあります。例えば顎関節の構造がいかにもひ弱だと思われても、それを大きく頑丈にすることはできません。
外傷についても、あらかじめ予測することは無理ですから、この寄与因子も除去することは困難です。そういった因子のうち、
特に行動学的因子の中で、最近見つかった重要な因子があります。それは必要がない時にも上下の歯を接触させている
(かみ合わせている)歯列接触癖。普通、口を閉じていても上下の歯はかんでいないのですが、来院する顎関節症患者さんの8割近くの方たちが
口を閉じているときに上下の歯もかんでいるという癖をお持ちでした。この癖があると顎関節や筋肉に持続的な負担をかけることから、
顎関節症を引き起こしやすくなることが分かってきました。しかもこの癖を治すと、大部分の患者さんの症状が改善することも明らかになりました。
つまり、この癖が数ある寄与因子の中で最大の原因になっていることが分かったのです。このため、顎関節症の患者さんにこの癖をみつけた場合には、
先ず一番にこの癖を治すべきということになったのです
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